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wabisuke's photo diary

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2007年 11月 11日

Illuminations

前にも書いたかもしれないけど、この時期になるとこの思いが沸々とわき上がる。森本哲朗著の日本人の暮らしのかたち(PHP文庫)のなかで暗闇を書いた下りがある。頷きながら思ったことは、本当に真っ暗が無くなった。耳が痛いほどの静寂と目が眩むほどの暗黒。高度成長期に育った僕が言うのもおかしいけれど、1970年代前半頃まではそれがあったように記憶している。聴覚が無音過ぎて戸惑っている、暗闇が視界いっぱいに暴れている、凄い恐怖感を野外で体験したのを今でも鮮明に覚えている。自分の手が見えない、目を開いているのか閉じているのかも定かでない。
目映いばかりの小さなLEDの粒が初冬の京都を彩る。綺麗なんだけれど、ただそれだけ、なんか薄っぺらで嘘くさい。真っ暗で、犬の遠吠えのする凍えるような寒い夜はもう来ないんだろうなぁ。

by funakakushi | 2007-11-11 09:57 | なんで


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